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アート女子のアートな目線 「偶然から生まれるアート vol.1 〜ジャポニズム〜」

NEWS

2013年3月24日


アート女子のアートな目線 「偶然から生まれるアート vol.1 〜ジャポニズム〜」


はじめにアート大好き女子としてコラムを書かせていただくことになりましたAyakaです。

ご挨拶もかねてこのコラムを通じて伝えていきたいことを語ってみようと思います。
私は物心がついたころから「美術館」という場所が好きでした。
絵画や彫刻、何事にも揺るがない静物が並ぶこの空間は、最初はひっそりと冷たく退屈に感じるかもしれません。しかしそこに鎮座している彼ら彼女らに心を開き、理解をしようとし、歩み寄った瞬間、何十年も何百年もの時を、あるいは何十キロ、何百キロも離れた海を超えて作品の向こう側にある無数の息吹や声を感じることができるなんとも不思議で暖かい場所なのです。
充分に勉強してアートの声に耳を傾けることで頭を活性化させても良いし、何も考えたくないときはただ漫然と色彩の並ぶ空間に癒されに行っても良い、自分のスイッチの入れ方でいかようにも顔色を変える美術館は、毎日悩んだり楽しんだり忙しい現代の女性にこそ、必要な空間だと思うのです。
このコラムを通じて、アートの楽しみ方をいろいろな角度で紹介していきますので、そんな「心の開き方」の糸口をみつけ、美術館に足を運んでもらえたら嬉しいです。

 

「偶然から生まれるアート vol.1 〜ジャポニズム〜」

アートは生き物だと思います。作者、その日の気分、天気、世の中の動き、全てに影響されて、従順に姿かたちを変えるから。そういう意味でアートは計算され尽くされた芸術品でありつつ、偶然の産物とも言えます。
こうした偶然を重ねていくうちに化学反応を起こし、思いもよらぬ作風が誕生することがあります。それがアートを見る上での旨味であり、面白味なのです。
その中の一つに「ジャポニズム」というものがあります。

「ジャポニズム(Japonism)」は19世紀のヨーロッパで広がった、アートの中に取り入れる「日本趣味」全般のこと。特に万国博覧会での出展を機に、浮世絵や琳派、狩野派といった日本美術が西洋美術に大きな影響をもたらしました。環境も作風も全く異なる西洋と日本の作風の未知なる出会い、そしてミックス、まさに偶然の産物といえます。
私が初めて見て衝撃を受けたのがマネの『エミール・ゾラの肖像』
エミール・ゾラの肖像

とモネの『ラ・ジャポネーズ』
ラ・ジャポネーズ

この二点は、作風はそのままに着物や浮世絵といった日本的なモチーフそのものを異国文化としてダイレクトに作品に取りこみ、心地のいい違和感を醸し出しています。

モチーフのみならず、日本美術の造形美の特徴である「アシンメトリー」を取り入れたりと、各々の画力はそのままに新しい切り口での表現をしたことで新しいアートの世界の可能性を創出しました。
ことにモネは、日本美術に多大な関心を持っていましたが、それを用いた作品はあまり描かず、この『ラ・ジャポネーズ』は非常に希有な作品だといわれています。こうして偶然残された一枚が後代におおきな影響をもたらすのです。

彼らをはじめとした印象派の画家たちは日本美術の影響を多いに受けており、むしろその影響を受けていない者を探す方が困難だ、とすらいわれているそう。
多くの画家たちの心を揺り動かしたジャポニズムは当時の一過性のブームではなく、芸術運動の発端になったりと大切に継承され続け、その後長く西洋芸術に関わる存在になります。
私達がいま身近で目にするものを例に挙げると、フランスのブランド、ルイ・ヴィトンのライン、「モノグラム」や「ダミエ」は、日本の市松模様や家紋からインスピレーションを受けて創出された、と言われています。

マイセンやロイヤル・コペンハーゲンといった陶磁器のブランドもジャポニズムの影響を大いに受けています。
つまりルイ・ヴィトンのモノグラムやダミエもまた偶然から生まれた奇跡のアートの一つになるのです。こうした偶然の摩擦を繰り返していけば、新しいアートの世界は無限に広がり続けるのではないでしょうか。








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