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Art de la Table ベートーヴェンの食卓

NEWS

2016年9月22日


Art de la Table ベートーヴェンの食卓


東京フィルハーモニー交響楽団 × girls Artalk

東京フィルハーモニーとgirls Artalkのコラボで贈る、
コンサートの味わいを深めるレシピ集♪

〜料理家 太田みおのハーモニーレシピ〜

 

 

或る音楽からインスピレーションを受けた、その名も「ハーモニーレシピ」を料理家の太田みおが全8回にわたってご紹介します♪

 

来たる9月25日Bunkamuraホールで開催される東京フィハーモニー交響楽団のコンサートでは、チョン・ミュンフンが指揮するベートーヴェンの交響曲第6番と第7番を楽しめます。(*公演情報は最下部をご覧ください)

 

歴史を塗り替えるほどの影響を音楽界に与えた偉大な作曲家、ベートーヴェン。壮大でロマン溢れる名曲を数多く世に残したベートーヴェンですが、その私生活はどのようなものだったのでしょう。

 

今回のコラムでは、あまり知られることのないベートーヴェンの私生活に斬り込み、ベートーヴェンの好物に関する史述をもとに、きっとベートーヴェンも喜んでくれ、そして読者のみなさんにも美味しく召し上がっていただけるようなレシピをひとつの食卓にまとめました。

 

 

 

<本日のレシピ>

*鯛のポワレ じゃがいもを添えて

*さつまいもと人参のパンポタージュスープ

*マカロニチーズ

 

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ベートーヴェンは生涯独身でした。容姿は決して優れていなかったことで有名ですが、彼はその人生で、数多くの女性と情熱的な恋愛をしてきました。率直で教養のある会話をし、自身の芸術の理想に向かってひたむきに努力する誠実な人間であったため、多くの人を魅了したのです。

 

自分の音楽を好んでくれる女性に対してはすぐに好意をもち、それが貴族の女性であった場合はたちまち恋愛感情に発展。ピアノを熱心に教えたり、足しげく彼女のもとに通ったり。彼の音楽が評価され、経済的に安定しているときには、その女性たちと結婚まで意識したといいますが、たいていはその身分の違いから失恋に終わるという哀しみを繰り返した愛の人生でした。

 

そんなベートーヴェンの食生活といえば、とてもシンプル。生涯独身であったため、家政婦を雇って食事の世話をさせていたといいますが、家政婦の作る料理が気に食わないときには癇癪をおこして追い出し、自ら市場で食材を手に入れて嬉々として自炊をしたといいます。

 

彼と親しい付き合いのあった指揮者、イグナツ・フォン・ザイフリートによると、ベートーヴェンの好物は「どろどろに煮たスープに固いパンをひたし、そこに生卵を割り入れてかき混ぜてもの」だったといいます。

 

ある日ベートーヴェンは、「料理という高貴な芸術に素晴らしい知識を持つ証拠を見せてやろう」と豪語して友人たちを招きましたが、出てきた料理は「宿屋の残飯を連想させるスープ」と「煙突でいぶしたような肉のかたまり」だったといいます。ベートーヴェンは名作曲家ではあっても、すぐれた料理家ではなかったよう…(笑)。

 

ベートーヴェンの弟子のシンドラーによると、彼の好みはパンスープのほかに、ジャガイモを添えた白身魚のソテー、仔牛肉、パルマ産チーズを添えたマカロニ。そして、ハンガリーのワインも好んで飲んでいたそうですが、日頃は安物の混合酒をがぶ飲みし、それが原因で身体を悪くしたといわれています。

 

また、ロンドンのハープ製作者シュトゥンプとの食事でも、好みを聞かれると、「魚、魚です」と答え、提供された器を開け「ブラボー、ブラボー魚がいる…自分にとってご馳走だ」と声をあげて喜んだといいますから、よほどの魚好きだったのでしょう。

 

美食に相当の情熱を注いだことで有名なロッシーニとは対局的に、ベートーヴェンは、ウイーンのホテルに滞在中、その地の人々の豪華な食文化にあきれ果て、「何のためにこんなに多くの品数が必要なのか。食卓が主要な楽しみならば、人間は他の獣以上には優れていない」とまで言うほど、食に関してはシンプルなものを良しとしていたようです。

 

食生活の点では明らかに「悪食」であったベートーヴェン。彼は質実剛健なドイツ人気質の持ち主で、美食に代表される現世的快楽よりも芸術的理想を追求するロマン主義的人間だったのです。

 

ベートーヴェンが好んだ「おいしくなさそうな(失敬)料理たち」を、「ベートーヴェンを含め、みんながおいしく食べられる料理」にアレンジしたレシピをご紹介します。

 

 

 

 

<鯛のポワレ じゃがいもを添えて>

ベートーヴェンは、白身魚を焼いたものにジャガイモを添えるのが好きでした。白身魚のなかではとくに鱈のような魚や、鱒を特に好んで食べていたようです。

ここでは、鯛をポワレしたものにじゃがいもを添えたレシピをご紹介します。

 

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【材料】1皿分

鯛の切身 1切

塩こしょう 適量

バター20g

オリーブオイル 大さじ1

じゃがいも

塩こしょう

 

1.鯛には塩こしょうで下味をつけておく。じゃがいもは、皮をむいて好きな形に切り、しばらく水につけておく。

2.じゃがいもをやわらかくなるまで下茹でする。

3.フライパンにバターとオリーブオイルを入れ、中火にかける。バターがとけたら、鯛を皮目を下にして入れ、スプーンで油をすくい身にかけながら焼く。同じフライパンのあいているところに2のじゃがいもを置き、バターをかけながら塩こしょうで味付けしたら、ジャガイモを取り出す。鯛の身の表面がほんのり白くなってきたら、蓋をして蒸し焼きにし、皮目をぱりっと色づき中までふんわり火が通るようにする。

4.じゃがいもとともに、鯛を盛りつけたら出来上がり。

 

 

 

 

<さつまいもと人参のパンポタージュスープ>

ベートーヴェンの好物としての史述には、「パンをどろどろに煮たスープ」や「ポタージュ状のスープに固いパンを刻んで入れたもの」や「骨を煮詰めたスープにパンを入れたもの」などが出てきますが、いずれにしても「スープにパンを入れたもの」ということで共通しています。今回は、さつまいもと人参をポタージュにして、パンをきざんだものを入れてみます。

 

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【材料】 つくりやすい量

玉ねぎ 1/8個

さつまいも 1/2本

人参 1本

バター 15g

小麦粉 大さじ1

コンソメスープ 250ml

牛乳 200ml

塩 適量

フランスパン 適量

刻みパセリ 適宜

 

1.玉ねぎ、さつまいも、人参は皮をむいて薄切りにしておく。

2.鍋にバターをひき中火にかけ、玉ねぎが透明になるまで炒めたら、小麦粉を加えてさらに炒めあわせる。粉くささがなくなる頃合いで、さつまいもとにんじんを加えて油をまわすように炒め合わせる。

3.コンソメスープを注ぎ(野菜がひたるくらいの量に調整してください)、蓋をして柔らかくなるまで煮たら、ミキサーで撹拌する。

4.牛乳をくわえて良く混ぜ合わせ、塩で味を整える。最後に刻んだパンを入れ、彩りに刻みパセリを散らしたらできあがり。

 

 

 

 

<マカロニチーズ>

 

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【材料】 2〜3人分

マカロニ 100g

バター 15g

牛乳 200ml

チェダーチーズ 30g

パルメザンチーズ 10g

厚切りベーコン 適量

塩こしょう 適量

 

1.鍋にお湯をわかし、塩を加えてマカロニを茹で始める。

2.ベーコンは短冊状に切り、フライパンで香ばしく焼いておく。

3.別のフライパンに小麦粉を入れて空炒りしたあとバターを加えて炒める。そこに牛乳と、すりおろしたチーズを加え、弱火でゆっくり煮とかす。

4.ゆであがったマカロニの水を切り、3のチーズソースに入れて絡める。2のベーコンも混ぜ合わせ、塩こしょうで味を整えれば出来上がり。

 

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ベートーヴェンは、「オーフェン」というハンガリーワインを好んで飲んでいたそうです。

この日は、2種類のハンガリーワインを用意してみました。皆様もぜひ、ベートーヴェンに思いを馳せながら、この食卓を再現してみてくださいね♪

 

 

 

 

【情報】

【東京フィルハーモニー交響楽団 コンサート情報】

第885回オーチャード定期演奏会

9月25日(日) 15:00
Bunkamura オーチャードホール

指揮:チョン・ミョンフン

ベートーヴェン/交響曲第6番『田園』
ベートーヴェン/交響曲第7番

http://tpo.or.jp/concert/20160925-01.php

 

 

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Writer

太田 みお

太田 みお - Mio Ota -

料理研究家/ライフスタイルデザイナー。lifestyle atelier MAGNOLIA主宰。 早稲田大学で芸術学を学び、レコード会社のディレクターを経て、料理の世界へ。 辻調理師専門学校で日本料理とフランス・イタリア料理を、ル・コルドンブルーでフランス料理を学び、ナチュラルフードやハーブの資格も保有している。 lifestyle atelier MAGNOLIAでは、料理教室を開催中。暮らしそのものをアートととらえ、日々を心豊かに送るアイディアを発信している。
MIO LIFESTYLE: http://mioliving.blogspot.jp/






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