春の土曜日の昼下がりに突如、新宿伊勢丹に現れた夢の空間。
3月14日、新宿伊勢丹本館4階にてトークイベント「プレミアム・コスプレって何?」が開催されました。
3月11日から17日まで、新宿伊勢丹センターパーク/ザ・ステージ♯4に
『プレミアム・コスプレ』をテーマとしたコーナーが設けられました。
それは、販売されている服や装飾品を自由自在に身につけて、「仮想」体験することができる場所。
ディレクションはファッションジャーナリストの生駒芳子さんによるもの。
色とりどりのアクセサリーが並んだ目の前には
プリクラの機械があり、なんと、商品を試着した姿でプリクラを撮れるようになっているのです!
本来、お店にあるアイテムたちは購入前は当然写真撮影禁止なので、
このアイデアはなんておもしろいのだろう!と大興奮。
そんなスペシャルで女性なら誰もが心がときめくであろう場所で、
生駒芳子さんとファッションカリスマのミーシャ・ジャネットさんと
東京大学大学院情報理工学系研究科で特任研究員として在籍されている久保友香さんのトークが繰り広げられました。
生駒さんを中心に展開されたトークは、
「ファッションは潜在的に着ている人の心理を表していて、心の状態がファッションに関係する=社会性をもっている」ということや、
そこからさらには日常を着こなしで「盛る」ことについて、そしておしゃれを楽しむことについての内容に。
同時にトークはプリクラの領域にまでふくらんでいきます。
プリクラは2007~2009年頃にデカ目効果の出る機械が開発・増産され、
美肌とデカ目に「盛る」ことができるようになった、と久保氏の説明が入ります。
現在、プリクラの機械は、一時のデカ目ブームに比べると「盛り」具合がわからないような仕様になってきているそう。
久保さんは、論理的に女性の思考を分析、特には「盛る」を数学的に研究されている方で
「シンデレラ・テクノロジー」という言葉も私は彼女をきっかけに知りました。
「シンデレラ・テクノロジー」とは、女性が誰しも持っている変身願望のことで、
実際の身体に対して抱く変身願望からweb上を意識した自己表現も含めるそうです。
世界の中でも日本の女性のおしゃれの意識の高さは顕著で、
その意識を叶えるかのようなプリクラ機械の高度な発展も、同時に注目すべきことなんだそう。
イベント中、おしゃれとは?との問いに対して、
「おしゃれとはサプリメントで、毎日の健康を現すもの」と生駒さん、
ミーシャさんは「毎日がランウェイ。気分をアップさせるものだから1ランク上のものを」 と、
そして久保さんは「いくつもアイデンティティを持ちたい」
と三者三様の面白い返答が。
化粧に関しては、パリの女性は17~18時にメイクアップをし、それまではスッピンでオンとオフがハッキリしているのに対し
日本は日中からオシャレで人の目を気にする文化である、という国別の比較が印象的でした。
ミーシャさんの素敵なファッションは他の何かの「マネ」ではなく、
「日々実験で失敗も多く身体と頭で身に着けているもののバランスが悪い時もたくさん」と本音をお聞きすることができ、
「1980~1990年のファッションのエネルギーはすごかったけれども2000年に入ってすべてがフラットになって特徴を失い、個人的につまらなくなった。なぜなら常にチャレンジしているのがファッションだから」
という生駒さんの言葉はとても興味深かったです。
そして最後に、久保さんから研究分野、ファッションとテクノロジーの組み合わせ、その関係性…「盛る」を技術にするための分析がありました。
この日はイベント中に設置されていたプリクラ機械の会社、フリュー株式会社の方もいらしており、イベント後は私も雑談を楽しませていただきました。
久保さんの研究する領域とは遠い場所で、根拠のない勘で生きている私(笑)は、
もっといろいろ教えていただきたい!と強く思うと同時に、
研究の切り口の面白さだけでなく久保さんのファッションセンスへの憧れもあり、
今後のご活躍を期待する女性の一人となりました。
トークイベント後、私もプリクラを楽しみました。こちらはおまけで掲載!