ARTなハーブテーブル vol.1
ルノワール「舟遊びをする人々の昼食」~人参とオレンジの爽やかディルサラダ~
はじめまして!ライフスタイルデザイナーの太田みおです。
夏も本番、毎日厳しい暑さが続いていますが、皆さん夏バテしていませんか?
ところで、歴史に残る名画には、数々のお料理が登場しますよね。お料理そのものが描かれていないとしても、その当時の暮らしや空気が、時空を超えてふわっと香ってくるようなエネルギーのあるアートがたくさんあります。そんなアートの数々からインスピレーションを受けたハーブ料理のレシピをご紹介していくのが、このコラム。
記念すべき第1回は、夏の休日にふさわしい名画。巨匠ルノワールが描いた、「舟遊びをする人々の昼食」から想像を膨らませた、蒸し暑い夏の休日の昼下がりを涼やかに彩ってくれるようなサラダのレシピをご紹介したいと思います。ディルは、ヨーロッパでメジャーなハーブのひとつで、鎮静効果や消化器官の機能改善の効能があります。気心の知れた仲間たちと、舟遊びをしたあとにいただくランチにこの1品があれば、火照った体温をクールダウンさせてくれるに違いないでしょう。とても簡単ですので、ぜひお試しください。
人参とオレンジの爽やかディルサラダ
<材料>2人分
人参1本
オレンジ1個
レモン汁 半個分
ディル 少々
塩胡椒 少々
オリーブオイル 大さじ1
①人参は皮をむき、細切りにし、塩をふってしばらく置いて水気を絞っておく。
②オレンジは1/4はドレッシング用に果汁を絞り、残りの3/4は皮をむいて2cm角程度に小さく切る。
③②のオレンジ果汁に、レモン汁、塩胡椒、オリーブオイルを加え、混ぜドレッシングを作る。
④①~③の人参、オレンジ、ドレッシングをすべて混ぜ合わせ、こまかくちぎったディルを少々加えてできあがり。
「舟遊びをする人々の昼食」ピエール=オーギュスト・ルノワール
(Déjeuner des canotiers) 1881年
129.5×172.5cm | 油彩・画布 | フィリップス・コレクション
印象派最大の巨匠の一人ルノワールの代表作『舟遊びをする人々の昼食』。1882年の第7回印象派展に出品された本作は、セーヌ河沿いラ・グルヌイエールにあるシャトゥー島で≪レストラン・フルネーズ≫のテラスを舞台に、舟遊びをする人々の昼食の場面を描いた作品。人々の躍動感や生命感、豊かな色彩描写、明るく美しい光の表現、テーブルの上の静物の洗練された描写などにルノワールの印象主義的技巧の成熟が感じられるほか、風景描写とやや切り離された登場人物の存在感のある表現に注目。また本作はルノワールが印象主義時代との決別を告げた作品でもあり、画家の重大な転換期における集大成的な作品としても特に重要視されています。